#009 ビルの一室での1日講習

私の仕事は仕事をしていく上で定期的に講習を受講することが義務づけられている。講習は朝から夕方まで1日にわたり行われるもので、ビルの一室を利用して行われる。正直、この講習を最後まで受けられるか不安でいっぱいだった。

ネットで講習の予約をするときに不安だったことは、講習会場まで行くことができるのかということと、半日ほどの時間をかけて行われる講習に自分の体が(気持ちが)耐えられるのかということだ。講習会場には駐車場がなく電車で行かなくてはならないが、とても朝の通勤ラッシュの時間帯に電車に乗る気にはなれなかったし、大人数が小さな部屋で講習を受けるとしたら、その息苦しさも不安材料のだった。そんなことを考えていたら予約のクリックを押そうとしてから2時間ほどが過ぎていた。

講習のネット予約をするときに不安を感じすぎたせいだろうか・・・その日の夜から吐き気が止まらなくなり、1週間ほど体調不良が続いた。


結局のところ、講習会場へは車で送ってもらい、帰りもむかえに来てくれることとなり助かった。

講習会場に到着して部屋に入ったら想像以上に少ない机と椅子の数が並んでいた。講習会場は学校の教室ほどの大きさで、受講者全員が到着しても30人ほどの人数だった。救いだったのは後ろから2人目の席で、全体が見渡せたことで少し安心感を得られたことだった。1番前の席だったら何となく落ち着かなかったと思う。

講習には最後に試験があり、一定の点数を取らなければ再度受講しなければならないというシステムがある。自分が怖かったのは試験に合格しなければならないということではなく、講習に遅刻も途中退席も認められていないことだった。体調が悪くなり途中退席をしてしまえば、講習費を支払い再度受講しなければならない。そうはなりたくなかった。

講習が始まると同時に深く深呼吸をした。できるだけ大きく息を吸うようにして緊張をほぐす。講習中は講習内容に集中し、他のことを考えない。休憩中は席を立って部屋から出てウロウロすることで少しでも開放感を得ようとしてみたりした。只単に落ち着かなかっただけとも言えるけれど。

昼休憩の時間。昼食のために1時間ほど時間があったので、ビルを出て飲食店で入ったけれど、精神的に緊張し続けていたためか全くお腹が空いていない。あっさりとした小さなラーメンを1杯食べるのが精一杯だった。

その後も何とか講習をやり過ごし、試験の時間になった。試験はマークシート方式だけれど、時間に余裕がある問題ではない。必死に問題を解答し続けてもタイムリミットが迫ってくる。「一定数以上の問題に正解しないと再受講しなければならない。」そのキーワードが頭の中でグルグルまわる。動いていないのに息を切らせながら何とか時間内に全ての問題を解くことができた。試験官の「やめ!」という言葉を聞くと同時に、講習に受かる受からないではなく、その場から離れられる安心感に浸っていた。

後日、合否の結果が封書で送られてきて、無事に講習をクリアしていた。前回よりも点数は悪かったけれど、合格すれば問題ない試験だったため自分の中で良しとした。